第1章

30/30
前へ
/30ページ
次へ
出来るだけの笑顔を作ってドアを出る。ドアの向こうに高村くんがいると思うと胸がキューンと締め付けられる。 開けたい気持ちをグッとこらえ、歩き始めた。持ってたマスクをかけてエレベーターに乗った。 映画館で見た高村くんの屈託のない笑い顔、お弁当食べながら見せた幸せそうな顔、ベッドの横二人ならんで話した時の真剣な顔、別れのときの寂しそうな顔。 街灯が点き始め、歩みをを早めながらも、いろんな高村くんが浮かんでくる。 少しずつ増えていく二人の思い出。大丈夫!彼はいつも私の胸にいるから、また一週間頑張れる。 そう言い聞かせながら家の方へ向かう電車に乗った。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加