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朝食を一緒に、ということだったので2人で食堂へ歩き出す。
長い廊下は大人三人くらいで埋まってしまうような狭さで、慣れない周りを見渡す。真っ白で無機質な扉が一定の間隔で並び、まるで病院を思わせる雰囲気だ。そんな雰囲気を壊すかの如く、りりさんのヒールの音が高く廊下に響き渡る。真っ直ぐ率先して前を歩いてくれるその背中は僕より背が小さいはずなのになんとも頼もしい。
あっという間に食堂へ辿り着き、りりさんが適当に注文してくれた。
何を食べれば良いかわからない僕にとってとても有難い。ちょっと前まで配られたものを食べるといったのが当たり前だったから。
「お待たせ!さ、食べよっか」
そう言って差し出されたトレーに乗せられていたのはサラダとスープとサンドイッチ。この品々はここに来て初めて食べたもの。
食事の名前もまだこれらくらいしか覚えてないので、当面の目標は名前を色々覚える。これが今の僕に課せられた課題だ。
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