第2章

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『あーあ。今日もまた、家に誰も居ないのかよ。』 「ゴメンね、夜永。お仕事が夜遅くまであるのよ。」 電話越しにお母さんに文句を行っているとお母さんは、謝ってきた。 確かに、私がどれだけお母さんに文句を言ったってどう仕様もないんだし、仕方ないよね? 『もーいいよ。お仕事、頑張ってね?』 「ええ。本当にゴメンね?」 ガチャン―― そのまま、私は少しだけ乱暴に電話を切った。 『っ……、今日。私の誕生日なのにさ。だーれも、祝ってくれないのか……』 仕方ないって言ったら、もちろん仕方ないんだけどさ。 寂しいもんは寂しいんだよね。 誰もいない、静かな家の中に私。流乃夜永(ながれのやな)は、ポツリと言葉を出した。
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