見慣れぬ姿

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見慣れぬ姿

 急な夕立で、屋外にいた面々は大慌てで校舎や部室へ駆け込んだ。  陸上部の俺も例外ではなく、校舎へと走り込む。と、隣にクラスメイトの女子が駆け込んできた。 「雨、いきなりだったねー」  元々気さくだし、席が近いからよく喋るクラスメイト。でも、男だ女だなんて意識もしない、ただの友達。  その相手の見慣れぬ姿にドキリとした。  テニス部なのは知ってたけど、前に練習風景を見かけた時はジャージ姿だった。そのクラスメイトが、今はスコート姿で隣にいる。  制服より遥かに丈の短いスコートから伸びた足に目を奪われる。  すらりと長い。でも太腿とか、程良い肉づきて柔らかそう。  見慣れてないから視線が向いてるだけ。と、自分に言い訳するけれど、嘘だなんて相手に筒抜けのお見通し。 「エッチぃ目。男子ってやっだなー」  ちゃかす言葉に反論ができず、逆に、 「アタシのスコート姿、イケてる?」  なんて聞きながら、ギリギリまで裾をたくし上げる姿に赤くなってうつむいた。  …彼女とは、その日以降も気さくに喋る間柄だけど、あの夕立の日のことを思い出すと何だか胸が熱くなる。  もう一度、スコート姿を目にしたら、この熱っぽくもやっとした気持ちに理由がつくのかな。  そんなことを考えてしまうせいで、最近は、部活に身が入らない放課後を過ごしている。 見慣れぬ姿…完
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