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『帰りましょうよ、フロイデ様』
小柄で茶色い犬がテレパシーで主人に訴えると少女は首をふって抗議した。
「16歳の若さで顔も知らない相手と結婚なんてイヤ!もっと楽しい事をしたいの!!」
彼女の名はフロイデ・ヴァイス。魔界の貴族の中でも一二を争う名家の末娘である。ちなみに、お付きの犬は北欧神話に名高いフェンリル狼の一族の下っ端だ。
彼女達は知らない。魔界の領地問題を解決するために行った政略結婚の当日に花嫁に逃げられたシュヴァルツ家の怒りをかい家族が封印されたことを。そして、結婚相手だったラスター・シュヴァルツがフロイデを追って人間界に来ていることも。
「オレを振る女なんて存在しない。絶対に好きだと言わせてやる!」
強気娘と俺様男の奇妙な恋物語が始まった。
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