Twenty Years

9. SNSでの再会

2014年7月、彼女はフェイスブックで懐かしい友人から友達リクエストを受け取った。そうだ、これで探せる！とT君の名前を検索。大学名と出身地からすぐにT君と分かる人物がヒットした。

承認はしてもらえないだろうと思いながらも友達リクエストを送信した彼女。意外なことに彼はそのリクエストを承認し、彼女にメッセージまで送ってきてくれた。

まさかSNSで再会できるとは！！それから暫く毎晩寝る前に彼とメッセージをやり取りするのが彼女の楽しみとなった。

20年前の記憶を手繰りながらの会話。付き合っていた当時、彼がどんなに彼女を想っていてくれたのか。『僕は君のことを忘れたことはないし、今こうして話ができるのは時間が経ったから』という彼の言葉は20年の時を超えて彼女の心に響いた。当時の彼女には気付けなかった彼の想いが文面からひしひしと伝わってきて、それが彼女を温かい気持ちにした。

付き合うきっかけとなった一泊旅行の行き先が福島県相馬市だったことも、彼女はこのやり取りの中で初めて知った。