1人が本棚に入れています
本棚に追加
2. 日本での再会
インドから日本へ戻ってすぐに、彼女はドミトリーで夜中にこっそり写し取ったK君の住所宛てにハガキを出した。まだ旅を続けているのか彼女に怒っているのか、K君からは何の返事も来なかった。
秋になり、二人のことを忘れかけた頃にT君から彼女宛てにハガキが届いた。あの後デリーの病院で体調が回復して旅を続けられたことが綴られていた最後に、『Kが貴女からのハガキのことを2ヶ月も黙っていたので返事が遅れました』とあった。それでも律儀に返事をくれたT君に、彼女は少しだけ好感を持った。
T君とは秋が深まる頃に東京で再会した。車で東京を案内してくれた彼は話も面白く、彼女にとって彼は一緒に居てとても楽な相手だった。
最初のコメントを投稿しよう!