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「逢崎だが、家庭の事情で暫く学校に来れなくなった」
休み明けのホームルームで、担任の隅田が気まずそうに伝えた。
クラス中が騒めきだしたのを「静かに、静かに」と制しながらさらに表情を曇らせる。
「あんまり詮索とかするなよ。それから、逢崎が戻ってきてからもいつも通り接してやってくれ。それじゃ、出席者取るぞ」
いつも通り接するもなにも、あいつは普段からボッチだ。戻ってきても誰もなにも話さないし、関わらない。
要するになにも変わらない。
一週間前までならば。
頬杖をつきながら逢崎の机へ視線をやる。
金曜日に散々な罵倒の言葉を書き殴った机はもうない。
多少ガタついているものの、表面はまだ綺麗な机。
今朝、秕が珍しく早く登校して私にこう言った。
「いろいろ言いたいことはあるけど、とりあえずカナメの机を変えた方がいいよ。
じゃなきゃ面倒なことになっちゃうから」
秕はそれだけ言ってどこかへ行ってしまった。
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