第1章

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「 想いが終えたら、何もできんよ。 」 そうだと思った。 いつか聞いた話。思い出した話。 昔、日本人の捕虜が劇場を作った。抑留の強制労働。地震が来た、けど、これだけ壊れなかった。 そうか。 自分のいた証といわれなき汚名を払うことの想いを込めたのだろうか。 だけど、色々な想いが作らせたはずだ。 朝、6時。 焦りが睡眠時間を短くした。 泣きながら起きるのは、久しぶりだ。 ものを作るのは、簡単なはずだ。 ペンを取って、紙に向かうが、絵は一向に描けない。 「課題どうするか…。」 芸大に通う 糸は最近、描けなくなりはじめた。 デッサンは人より劣るが、その分の粘りのある性格も限界に際していた。
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