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私も休めていた箸を動かす。
そういえば、先ほどのような話にいつもなら絡んできそうな人物が今日はおとなしいな。
ふと、気になったので彼女の方に視線を向けると、そこには希を真ん中にして彼女の持つケータイをこの場にいる女子達が覗き込んでいた。
ん?
いったい何を見てるんだ?
好奇心がくすぐられるが、なんだか彼女たちから醸し出されている雰囲気が「邪魔しないでよね!」と言っている気がして、気後れする。
なので、私は昼食を口に運びつつ彼女たちの会話する内容に耳を傾ける。
「──……へえ、こんな都市伝説とかもあるのね」
「──……あ、この『森のセイレーン』の真相なら、ボク知ってるよ」
「──……なあ、この『神出鬼没の銀髪外国美人』って、あめっちのことじゃね?」
…………ああ、なるほど。どうやら彼女達は数々の都市伝説の話で盛り上がっているようだ。
私は意識を昼食に戻し、残りの御飯を一気に掻き込む。
「起立。礼!」
「さようなら」
「はい、さようなら」
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