一章 廻り合わせのゴラル

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 彩歌はまだ容姿の事は言っていないので、そのストーカーが裏な人なのか逝っちゃってる危険人物なのかは不明だ。 「………………あの、その彩歌ちゃんを付けてた人って──」  叶さんが彩歌のいままでの話した内容だけで、ストーカーの正体に辿り着いたのか話に加わる。 「──転校生?」 「ああ、そうだが……なんでわかったんだ?」  ──なっ!?── 「ボクと希も、一昨日に付け回されたから」  おいおいおい、ちょっと待て。一昨日が夢野姉妹で、昨日は彩歌がストーカーされたってことか?!  これは飛躍した考えだが── 「転校生は私たちのことを嗅ぎ回ってる?」 「──どうだろう? 望月比奈実の目的は謎だけど、僕らもしくは僕らの中の誰かに用件があるのかもしれない。ただ、彼女にとって自分が用件のある人物が誰なのか判らないから“何かしらの確証”を得ようと探っているという見方ができる」  ──“何かしらの確証”ねぇ……。 「言い出しっぺのやっしーは何だと思う?」
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