ぷろろーぐ

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 パキパキパキパキ……パキン! 「は?!」  それは、誰のもらした疑問の声だったのだろう?  だが、今はそれよりも── 「《門(ゲート)》が──砕け散った!?」  ──いや、正しくは《門》が余波で砕け散ったのだ。“《門》の向こう側”が閃光で溢れかえった後に────  ──あの日、カルディアは《門》が開いた事に歓喜し、私たちの方を振り返っていたので、“幸いにも”“《門》の向こう側が閃光に呑まれた”瞬間を見てはいなかった。  “なので”、私たちはカルディアに「“残念だけど、《門》を開く試みは失敗した”」と、告げた。  カルディア自身、“《門》が開いた”と確信していたのか、その後の落ち込み様は酷く、不運にも私の帰還に巻き込まれて“こちらの世界”に来た時以上に沈んでいた。
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