普通の料理

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料理がもっぱら、普通であると噂のPrivateSUN。 「しゃーないやん。普通な俺がつくってんねんから」 苦笑いを通り越して、苦いだけの表情を浮かべた彼こそ、PrivateSUNフード担当のユキだ。 「あたしは好きだけどね」 頬杖をついて、ルイが本日のチャームの味見をしている。 本日はキノコとパプリカの煮ごこりのようだ。 ルイの隣では、すでに焼酎をあおった本日非番の小説家が眉を顰めた。 「ユキの料理はね。これはただの先入観もあるかもしれないが、イラっとするんだよ」 「なんでやねん」 「ほら。前さ、風邪ひいた時に、おかゆつくってくれたことあるじゃん」 「そんなことあったの??」 初耳の出来事にルイは目を丸くしている。 「うん。もちろん、頼んでないけど」 ユキが視線を窓の外に逃がした。 ほんのり色づき始めたサーモンピンクの空に、ビルが飲み込まれていく。 「あんときもさ。青のりがかかってたのよね。こう、真ん中にちょろっと」 ミサキが小さな掌をお茶碗の形にしてみせた。 「あれが、無性にイラっとしたわ」 清々しいほど正々堂々とした悪口である。 「おもいやりやろが!」 「重いやりの間違いかもよ」
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