正義のヒーローになりたい男

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 ――ここなら誰かが俺を必要としてくれる。  ――ここなら正義のヒーローになれる。  そう思いやまなかった。  しかし、ある日不穏な影が正志の前に現れる――。  傍(はた)から見ると、どう見ても堅気ではない連中からの依頼。  どう考えても怪しいとしか思えない依頼。  無論、正志自身いつもの仕事とは違う匂いを感じ取っていた。  だが、断ると信頼が落ちてしまう可能性もある。  それだけは避けたく、正志はその依頼を引き受けた。  そして、見事に依頼を成功させてしまったのだ。  いつも通り、完璧に任務を遂行したのだ。  それからというもの、正志には怪しげな依頼が来ることが多くなった。  依頼主は毎回変わっていただが、どうやら依頼主の大元は同一人物らしく、正志の住んでいる街で一番有名な暴力団の幹部からの依頼だった。
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