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そんな悪循環の中で生きているのだ。
(なんか最近、変なんだよな。俺はもっと人を笑顔にしたいっつうか、役に立ちたいと言うか……いや、実際役に立ってるんだけど、なんというか……)
珍しく考えがまとまらないようでイライラしているのか、後頭部をガシガシと掻き毟った。
(駄目だ、ネガティブな方にしか考えが行かねぇ……)
空を見上げ、幾多にも散りばめられた星たちを眺め、
「これで、いいのかな……」
と、ポツリと漏らした。
正志は体勢を変えようと鉄柵に背を向け、肘で手すりにもたれ掛かろうとした。
――その時だった。
「へ……?」
――こんな間抜けな声を出したのはいつぶりだ?
そんな間抜けな言葉が最初に頭の中で浮かんだ。
そして次に浮かんだ言葉が……。
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