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夢を見た。
身体はなく、空気の塊のような感覚だ。
これが夢だと理解するのにはそう時間はかからなかった。
自分の幼い頃を後ろから見ていたから。
周りに誰もいなく、リビングで一人だ。
幼い自分はヒーロー物のアニメを観ていた。
ヒーローが丁度悪者を倒している場面だ。
ヒーローの動きに合わせて幼い自分もテレビの前で動き回っている。
悪者を倒し終え、エンディングを観て満足した幼い自分はフローリングに直に寝転がってゴロゴロしている。
それを、天井から眺めている。
自分も正義のヒーローになりたい。
否、この頃はヒーローになれると、信じてやまなかった。
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