入れ換わり

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 正志は駆け寄り手を伸ばすが、空を切る。  転落する直前、少年は後ろに振り返り、正志と目が合った。  感情のない眼が、正志を射抜く。 少年の口が開く。  声が小さくて聞こえないのか、それとも夢の中だからなのか、聞こえない。  だが、何を言っているのか分かる。  この口の開き方は、正志はよく知っている。  ――助けて。
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