戸惑うばかり

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 窓を閉め、立ち上がろうとした時、  「へ……?」  最後に自分が発した、あの間抜けな声がまた出てしまった。  しかし、その声は自分が出したはずなのに、まるで聞き覚えのないような声だった。  しかし、今はそんなことはどうでもいい。  ――なんだこれ……。  閉めた窓から視線を離すことができない。  正確には、窓の反射で映ったソレから視線を離せない、だ。  肩に付くづらいまで伸びている髪、鬱陶しいくらいに眼を覆っている前髪……。 「誰だよ……コレ……」  そこには、見知らぬ顔が映っていた――。
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