31人が本棚に入れています
本棚に追加
/148ページ
(なんだよこれ、 知らないヤツの顔が俺の顔になってる……違う。
俺が知らないヤツになってる!? いやいや、意味分からんねぇ。なんだよそれ。ありえねぇだろ……!)
パニックに陥り、自分(?)の身体をまさぐったり顔をペタペタ触ったりしている最中(頭や顔に包帯が巻かれていたり、腕から点滴らしき管が引かれていたりして、さらにパニックになった模様)、いつの間にか病室に人が入っていた。
それに気づかず、ワチャワチャしている正志。
ドサ、となにか床に落ちた音で正志はようやく人が入ってきたことに気がついた。
思わず隠れようとしたが、もう遅い。
仕方なく、正志は恐る恐る入り口のほうに目を向けると、40半ばであろう女性がそこに立ち呆けていた。
顔はやつれ気味で、不健康そうな顔色をしている。
もちろん、正志はこの女性に会ったことすらない。
「強輔(きょうすけ)……?」
混乱中の正志には目の前にいる女性が何を言っているのか理解ができなかった。
否、頭にすら入ってきていない。
最初のコメントを投稿しよう!