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1ヶ月も寝たきりでは、少しの運動もできなくなって当然だ。
加えて、身体のあちこちに傷を負っている。
立つことさえままならなかった正志は、『1ヶ月も寝たきり』だったという事実を突きつけられた。
正確には、ジャスト1ヶ月ではないらしいのだが。
しかし、その言葉がトドメとなったのか、力尽きた正志はベッドに倒れ込んだ。
放心状態の正志を他所(よそ)に、靖子は一方的に喋りかけてくれていた。
最初は靖子の声が耳に入ってこなかったが、時間が経つにつれ耳に入ってくるようになった。
少しでも情報が欲しい中、彼女の言葉を聞き逃したくないため、正志は上半身だけ起こす体勢でいる。
彼女の言っていることをまとめると、こういう事らしい。
自分は強輔の母であること。
その母の息子である強輔が自宅の庭で気を失っていたこと。
気を失っていた原因は2階である自室の窓から転落したためであること。
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