戸惑うばかり

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*  1ヶ月も寝たきりでは、少しの運動もできなくなって当然だ。  加えて、身体のあちこちに傷を負っている。  立つことさえままならなかった正志は、『1ヶ月も寝たきり』だったという事実を突きつけられた。  正確には、ジャスト1ヶ月ではないらしいのだが。  しかし、その言葉がトドメとなったのか、力尽きた正志はベッドに倒れ込んだ。  放心状態の正志を他所(よそ)に、靖子は一方的に喋りかけてくれていた。  最初は靖子の声が耳に入ってこなかったが、時間が経つにつれ耳に入ってくるようになった。  少しでも情報が欲しい中、彼女の言葉を聞き逃したくないため、正志は上半身だけ起こす体勢でいる。  彼女の言っていることをまとめると、こういう事らしい。  自分は強輔の母であること。  その母の息子である強輔が自宅の庭で気を失っていたこと。  気を失っていた原因は2階である自室の窓から転落したためであること。
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