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犬のペコが鳩を追いかける。
「こら! ダメでしょ! 」
それを止めようとしたら、男の子とぶつかり謝った。ふりをした。
「いえ、大丈夫ですよ」
そう言って去った男はイノーマス・キラー。
一人で幾多の犯罪組織を壊滅させた、異界の殺し屋!
彼からの封筒を、私はポケットへねじ込む。
政府公認で異世界間紛争にも行くセキュリティ会社、ポルタ・プロークルサートルの対外調査部門最高責任者。
それが私の肩書。
幼いころ異界の悪に持て遊ばれた結果、皮膚の下には防御プレートが入っている。
脳も改造され、IQは230。
封筒の中身は一房の赤い毛だ。
禍々しい洗礼を受けたためだろうか。
その毛からは通常の物理法則を曲げる力、魔力を感じる。
さらわれた、魔術適合者たちの証拠!!
それは、十代くらいの若い女性であることが多い。
チームと今夜中に地球を発つ。
問題は、イノーマスも同行させるという条件だ。
まずいことになったら、全部彼のせいにしよう。
そうしよう。
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