第1章

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 犬のペコが鳩を追いかける。 「こら! ダメでしょ! 」  それを止めようとしたら、男の子とぶつかり謝った。ふりをした。 「いえ、大丈夫ですよ」  そう言って去った男はイノーマス・キラー。  一人で幾多の犯罪組織を壊滅させた、異界の殺し屋!  彼からの封筒を、私はポケットへねじ込む。    政府公認で異世界間紛争にも行くセキュリティ会社、ポルタ・プロークルサートルの対外調査部門最高責任者。  それが私の肩書。  幼いころ異界の悪に持て遊ばれた結果、皮膚の下には防御プレートが入っている。  脳も改造され、IQは230。  封筒の中身は一房の赤い毛だ。  禍々しい洗礼を受けたためだろうか。  その毛からは通常の物理法則を曲げる力、魔力を感じる。  さらわれた、魔術適合者たちの証拠!!  それは、十代くらいの若い女性であることが多い。  チームと今夜中に地球を発つ。  問題は、イノーマスも同行させるという条件だ。  まずいことになったら、全部彼のせいにしよう。  そうしよう。
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