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そんなやり取りを横目に相変わらずお茶を啜りお茶菓子を食べ出した莉李。
『ハハッ。おもしれぇな。莉李ちゃんって、すげぇな。初代鬼羅の総長、副総長、特攻隊長を虜にしてるとか。昔からしたら考えらんねぇ〜!ウケるっ!』
そう言って笑い出す木佐さん。
まぁ、確かに。
木佐さんの言う事は良く分かる。
昔の兄貴達を知ってる人達がしたら、あの三人が女一人にこんなにデレデレしてる姿なんか想像も出来ねぇだろう。
まして、木佐さんの族と抗争してたりもする訳で。
無茶苦茶、暴れてる三人を間近で見て来た訳だし。
「…昔は知らないけど…今の尋さんと亜紀さんと浬さんはいつも優しいぞ?なっ?陽次。」
それは莉李にだけな。と、思いながらも莉李が俺に視線を向けた瞬間に三方向から睨まれてる俺。
『…まぁ…な。』
としか答えられない。
『莉李ちゃん、本当に可愛いよね。』
ニッコリと莉李に笑いかける木佐さん。
『俺も素直で可愛いだろ?木佐。』
そう言って木佐さんの肩に腕をまわす兄貴。
『…可愛くねぇよ。アホか。』
そっぽを向く木佐さん。
『…仲良いな。』
ポツリと呟く莉李に苦笑いする面々。
「出掛けるなら早く行こうぜ。莉李がさっきからずっとお茶飲んで待ってんだけど。」
何杯目だ?と思う位、莉李はお茶を啜っていた。
『…陽次も飲む?暖かいお茶、美味しいぞ。』
「俺は要らねぇよ。美味しいけど飲みすぎな?」
笑って莉李に言うと、美味しいのに…と呟く莉李に苦笑い。
そんな莉李を兄貴達は微笑んで見ていた。
兄貴達にとって莉李は癒しなんだろうなぁと兄貴達の穏やかな顔を見て思った。
兄貴達を急かし準備をさせて旅館を出る事に。
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