莉李&陽次 温泉旅行編

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『良いおばさんだな。景色も最高だったろ?』 「…ん。凄く綺麗だった。温泉も気持ち良かったし。」 『だろ?大浴場もいいもんだろ。露天風呂も後で入ろうな。』 頷いて部屋に入った。 陽次に髪を乾かしてもらい、陽次も髪を乾かし終った頃。 『失礼します。お食事、お持ちしました。』 案内をしてくれた仲居さんが来た。 もう食事の時間らしい。 テーブルの上に次々と置かれる料理。 一通り並べると料理の説明をサッとして出ていった仲居さん。 それにしても凄い料理。 こんなのテレビの旅番組でしか見たことないな。 『すげぇ豪華だな。冷めないうちに食おうぜ。』 お腹が空いてたらしい陽次は早速、箸を取り食べ始めた。 私はというと、せっかくなので料理の写真をスマホでパシャリ。 ついでに大きな口を開けている陽次もパシャリ。 早く食えと怒られた。 料理は凄く美味しかった。 お刺身もあって小さな鍋物あって。 だけど、結構な量だったりする訳で。 「…陽次。はい。お刺身。好きだろ?」 言って陽次の口にお刺身を持っていく。 珍しく何も言わずに口を開ける陽次にお刺身をどんどん入れてやった。 で、ついでにと煮物の野菜も入れようとしたら 『莉李。ちゃんと食え。』 って、おいっ。 「…陽次。刺身ばっかり食べて。ダメだろ?野菜も食べなきゃ。」 言って口に持っていくと渋々、口を開けた。 よしよし。 この調子で次も。 と、思ったら睨まれた。 アハッ。これ以上やめておこう。
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