783人が本棚に入れています
本棚に追加
【陽次】
温泉の大浴場、やっぱ最高~。
ってか、莉李も入りたいとか言い出すとは思わなかった。
一人で大丈夫か?
ちょっと心配だが、莉李がせっかく自分から言った事だし。
莉李も結構、色んな人と関わってきて変わってきたから。
莉李を信じよう。
大浴場の前で莉李と分かれて、男湯に入った。
すげぇ広い。
おまけに景色は最高だし。
あー。マジ、来て良かった。
景色の一望出来る窓際で寛いでいたら
『あんちゃん。良い身体してんな。喧嘩ばっかしてんじゃねぇのか?』
知らねぇおっさんに話しかけられた。
「まぁ。そうっすね。今しか出来ねぇ事してますよ。」
少し前の俺なら、きっと知らねぇ奴に軽々しく話しかけられたら完全無視かキレてたはず。
だけど、莉李と付き合う様になってからは滅多にそういう事が無くなった。
たぶん莉李と一緒に居る時間が長くて、おまけに莉李との接し方に慣れてきたからだと思うけど。
しかも、今日は気分がいいから尚更何も思わねぇ。
『そうだな。若い時しか出来ねぇ事は沢山あるからな。青春してんな。そういえば、さっきもあんちゃんみてぇな良い身体した兄さん達が居たぞ。知り合いか?』
んな訳ねぇし。
今日は莉李と二人きりなんだ。
「いや。俺、彼女と二人で来たんっすよ。」
笑って答える。
『おっ。彼女と二人っきりか?やるなぁ。あんちゃん。可愛いのか?彼女。』
にやけるおっさん。
「すげぇ可愛いっすよ。俺、マジ惚れっすから。」
ニッと笑って答える。
『羨ましいなぁ。俺なんて長年連れ添ってる女房とだぞ。何の刺激もねぇよ。』
はぁ~っとため息をつくおっさんに笑った。
「いいじゃないっすか。俺も年取っても一緒に温泉旅行とかしたいっすよ。」
莉李とな。
そんな話で何故か知らないおっさんと盛り上がる話。
おっさんが上がってから俺も一旦あがり身体を洗う。
全部洗い終わってからもう一度温泉に浸かった。
そろそろ莉李も上がる頃だな。
身体が暖まった所で温泉を出て着替えた。
最初のコメントを投稿しよう!