莉李&陽次 温泉旅行編

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【莉李】 温泉も料理も凄く満足した。 しかも、ここの仲居さんに手作りのキャンドルまで貰った。 サービスいいな。 温泉旅行を計画してくれた陽次に感謝だ。 きっと、無理してくれたんだと思う。 じゃなきゃ、お正月にこんな旅館の露天風呂付きの部屋は取れないんじゃないかと思う。 ありがと。と陽次に告げると何が?と笑ってた。 でも、これ以上言うと陽次の気遣いを無駄にしそうだからそれ以上は黙ってようと思う。 陽次の事だ。 私が余計な事を言うと気を使わせたと思うだろうし。 話を誤魔化す様に話題を変える。 せっかく貰ったキャンドル。 着けてみたい。 露天風呂に入ろうと言うと陽次がキャンドルを準備してくれると言った。 部屋の電気を消して脱衣所と露天風呂の灯りだけ着けた。 準備をして中に入るとキャンドルに火が灯ってて。 露天風呂に片足を浸けると陽次が脱衣所と露天風呂の灯りを消した。 ……凄い。 キャンドルのほのかな灯りが何だか幻想的で。 あの仲居さんが言ってた様に月明かりで照らされた海が露天風呂に浸かると同じ視線になった。 「…綺麗…」 本当に綺麗で。 シンとした空間に海の波打つ音と露天風呂に流れるかけ流しのお湯の音だけが響く。
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