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【陽次】
今日はいよいよ温泉旅行。
莉李には内緒にして冬休み前から計画していた。
「莉李。そのバックに2日分の着替え入れな。出掛けるぞ。」
何も知らない莉李は首を傾げて俺を見上げる。
『…何処行くの?』
不思議そうな顔で聞いてくる。
だけど、まだ秘密。
「着いてからのお楽しみだな。ほらっ。早く。」
笑って髪を撫でると首を傾げながらも準備をする莉李。
準備も終わりいよいよ出発。
さすがに温泉旅行にバイクで行く訳もなく、バイクはお留守番。
「兄貴。そろそろ送ってくんねぇ?」
兄貴には前に話した時に駅までの送迎を頼んでいた。
『おぉ。ちょうど俺等も出掛けるところだ。行こうぜ。』
亜紀さんと浬さんにも声をかけ、皆で車に乗り込んだ。
『…電車?』
駅に着いた時、莉李が聞いてきた。
「あぁ。少し遠いからな。電車、嫌か?」
『…ん。大丈夫。』
莉李の荷物を持ち、駅で車から下りた。
兄貴に礼を言って改札へと向かう。
切符を買いホームで少し待つことに。
『…遠いのか?』
「少しな。でも、景色見てたら直ぐだ。莉李。電車で遠出とかしたことねぇだろ?」
『…無いな。』
「じゃ、何も考えず楽しめ。なっ?」
言って髪を撫でると微笑んで頷いた。
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