莉李&陽次 温泉旅行編

2/79
前へ
/109ページ
次へ
【陽次】 今日はいよいよ温泉旅行。 莉李には内緒にして冬休み前から計画していた。 「莉李。そのバックに2日分の着替え入れな。出掛けるぞ。」 何も知らない莉李は首を傾げて俺を見上げる。 『…何処行くの?』 不思議そうな顔で聞いてくる。 だけど、まだ秘密。 「着いてからのお楽しみだな。ほらっ。早く。」 笑って髪を撫でると首を傾げながらも準備をする莉李。 準備も終わりいよいよ出発。 さすがに温泉旅行にバイクで行く訳もなく、バイクはお留守番。 「兄貴。そろそろ送ってくんねぇ?」 兄貴には前に話した時に駅までの送迎を頼んでいた。 『おぉ。ちょうど俺等も出掛けるところだ。行こうぜ。』 亜紀さんと浬さんにも声をかけ、皆で車に乗り込んだ。 『…電車?』 駅に着いた時、莉李が聞いてきた。 「あぁ。少し遠いからな。電車、嫌か?」 『…ん。大丈夫。』 莉李の荷物を持ち、駅で車から下りた。 兄貴に礼を言って改札へと向かう。 切符を買いホームで少し待つことに。 『…遠いのか?』 「少しな。でも、景色見てたら直ぐだ。莉李。電車で遠出とかしたことねぇだろ?」 『…無いな。』 「じゃ、何も考えず楽しめ。なっ?」 言って髪を撫でると微笑んで頷いた。
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!

783人が本棚に入れています
本棚に追加