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旅館まではタクシーで移動した。
莉李は慣れない事ばっかで疲れるだろうし。
因みに旅館はちゃんとリサーチして、良い所を手配した。
さっき、莉李にも言った様に部屋に露天風呂がある。
大浴場ってのも温泉ならでわで、俺は好きなんだけど莉李はきっと一人ではまだ無理だと思うから。
恵でも一緒ならまだいいかもしんねぇけど。
今日は俺と二人だし。
ってか、俺が心配だからなんだけど。
だから、部屋に露天風呂がある旅館を探した。
旅館に着いてチェックインした。
部屋に案内され入ると
『…陽次…見て。凄い。海が一望出来る。』
部屋から見える景色に莉李が感動してる
のか見入っている。
『こちらの露天風呂に入ってみたら分かると思うんですけど、海と一体になった様な感覚になるんですよ。』
部屋に案内してくれた仲居さんがお茶を淹れながら莉李に笑いかけて言った。
『…海と一体?』
どうやら意味が分からなかったらしい。
すると、仲居さんは莉李の所に行き露天風呂へと促した。
『こちらです。こちらの露天風呂に浸かったら視線が海と一緒になるんです。だから、海と一体。今夜は月が綺麗に出ると思いますし、露天風呂の灯りだけを照らして入ってみると良いかもしれませんよ。』
莉李は真剣に仲居さんの話を聞いていた。
俺は仲居さんが淹れてくれたお茶を飲んで莉李を眺める。
仲居さんが莉李の近くで何かボソッっと呟くとニッっと笑った莉李。
ん?何だ?
莉李が知らない人にあんな笑顔を見せるのは珍しい。
何言われたんだ?
まぁ。後で聞こう。
仲居さんは夕食と朝食の時間を教えてくれてから部屋を出た。
夕食と朝食は部屋まで持ってきてくれる事になっている。
この旅館に2泊する予定だ。
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