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「よしっ!莉李、露天風呂入るか?」
言えば嬉しそうに頷く莉李。
そして、2人で昨日と同じ様に電気を全て消して蝋燭を灯す。
『…綺麗だな。』
莉李を俺の足の間に座らせ後ろから莉李のお腹へと手を廻して座っている。
「本当にな。来て良かったな。」
『…ん。良かった。ありがとな。陽次。こんな素敵な所に連れてきてくれて。』
「俺も楽しみにしてたんだ。来年はさ、また違う所見つけて旅行しような。あのおっちゃん達夫婦みたいにさ。毎年、自分達のご褒美に。なっ?」
月夜の海を観ながら2人でそんな会話をする。
『…そだな。楽しみなご褒美だな。じゃあ、毎年陽次が計画してな。私は当日まで何処に行くんだろうってワクワクしとく。』
振り返りニッと笑う莉李。
「じゃ、莉李はワクワクが俺の倍だな。」
『…いいだろ。』
「ずりぃな。莉李は。」
笑ってる莉李にキスをした。
その夜は莉李も疲れてるだろうと大人しく寝た。
次の日の朝、莉李に起こされた。
「…まだ寝ようぜ。」
莉李の腰に手を廻しグッと引き寄せた。
『…ダメだぞ。幸恵さん達が帰っちゃうだろ。』
…あぁ。見送ろうと言うことか。
「…ん。分かった。起きる。」
と、言いつつ莉李を抱き寄せキスをする。
俺の腕を手でパンパン叩く莉李に唇を離した。
「よしっ!行くか!」
起き上がり莉李をニッと見ると莉李はブスッとした顔でこっちを見た。
『…陽次の意地悪。』
莉李の髪をくしゃっと撫でるとブツブツ言いながら立ち上がった。
着替える暇は無いから浴衣でそのまま玄関フロアへ向かった。
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