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【莉李】
陽次が温泉旅行に連れてきてくれた。
初めは何処に行くんだろうと思ってたけど。
慣れない電車の乗り継ぎや人混みに少し疲れた。
でも、陽次と一緒だからそれだけで楽しい。
で、着いた先の看板を見て驚いた。
「…熱海?」
なんと、熱海まで来ていて。
熱海って言ったら静岡県だろ?
神奈川県通り越して静岡県だぞ?
まぁ。結構、時間かかってるから納得だけど。
ってか、何で急に熱海?
そんな私の疑問を陽次の言葉が解決した。
あの夏に約束していた温泉旅行。
夏休みの最後に二人で行こうと楽しみにしていた温泉旅行。
でも、実際は行けなくて。
きっと陽次はその事をずっと気にしてたんだ。
あの4ヶ月間の事も。
「…陽次…」
陽次に聞こうとしたけど、陽次は温泉は夏より冬だろ?って。
俺もすげぇ楽しみにしてたんだ。って言って笑った。
陽次は私が気にしないようにしてくれてるんだ。
陽次の私への想いや優しさが痛い程伝わってきた。
だから、甘えよう。
陽次の優しさに甘えようと思う。
やっぱり、私の陽次は良い男だ。
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