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『莉李ちゃん、陽次君おはよう。観光行くの?せっかくだし案内しよっか?』
兄貴を押し退け木佐さんが莉李の前に座って言った。
「いや、でも木佐さん。店は…」
木佐さんも商売してるんだし…
『1日くらい休んだって大丈夫だよ。俺もたまには誰かと一緒に楽しみたいしね。』
『…一緒に行く?』
ニッコリ笑って言った木佐さんに莉李が言った。
ってか、案内してもらうのはこっちな。
「木佐さんがそう言ってくれるなら。お願いしてもいいですか?」
莉李の発言に苦笑いしつつ木佐さんに言うと、いいよ。と笑顔で返された。
『んじゃ、俺等も一緒に行くかなぁ〜。』
なんて言いながら木佐さんの横に座ってタバコを吸い出す兄貴。
「…てめぇは寝てろ。」
ボソッと言うと鋭い視線が俺を睨んだ。
『…あれだな。やっぱり尋さんもヤンキーだったんだな。亜紀さんも浬さんも怖かったしな。』
さっきの亜紀さんと浬さんの様子を思い出したらしい莉李が兄貴達を見ながら呟いた。
「そうだぞ。おっかねぇぞ。この人達。だから、あんまり近付くなよ。莉李。」
言って莉李の頭を撫でた。
『おいっ。こらっ。陽次。莉李ちゃんに余計な事吹き込んでんじゃねぇよ。莉李ちゃん、陽次の言う事聞いたらダメだぞ〜。』
俺を睨みすかさず莉李に笑顔で亜紀さんが言う。
『陽次。てめぇ、覚えとけよ。莉李ちゃ〜ん。俺等怖くねぇから。なっ?』
俺を睨んでから、莉李へとニッコリ笑いかける浬さん。
『莉李ちゃん。今日は沢山買い物しようなぁ〜。俺が何か買ってやるぞ。陽次。てめぇは覚悟しとけ。』
莉李に満面の笑みで言ったと思えば俺に睨みをきかす兄貴。
…何だこの人達。
『…あんたら、どんだけ莉李に嫌われたくねぇんだよ。』
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