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『莉李ちゃんだけじゃねぇよ。木佐。俺らもそう思う。お前はさ。誰よりも人の事考えられる優しい奴だ。だからな。もう昔の事で自分ばっか責めんなよ。』
運転席から聞こえる尋さんの声。
ミラー越しに尋さんがチラッと木佐さんを見た。
『…ハハッ…尋にそんな事言われるとか…』
はにかんだ様に笑った木佐さん。
『木佐。俺もそう思う。お前ってさ、昔から仲間思いだよな。そう言うの俺らも見てきたし。いくらお前が逃げたとか酷い奴だって自分の事言っても、誰もそんな事思っちゃいねぇよ。』
亜紀さんも助手席から木佐さんに言った。
『お前は良い奴だって、皆分かってんだよ。だからさ。たまにはあっちに帰って皆に顔見せてやれよ。なっ?』
後部座席の浬さんが木佐さんの頭をクシャっと撫でた。
木佐さんは俯いていて。
『…ありがとな…。』
ポツリと皆にそう言った。
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