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木佐さんのお店の前に着いた。
『皆、今日はありがとな。久々に楽しかった。今度は俺がそっちに遊び行くから。その時は尋。お前の店貸し切って同窓会でもすっかな。』
車を降りる前に木佐さんはそう言って笑った。
『おうっ。いつでも帰って来い。そん時は俺が奢ってやるよ。』
尋さんもニカッと笑った。
『じゃ、そん時は飲み放題だなっ!尋の奢りで!』
『ラッキー!木佐、早く来いよっ?!』
浬さんと亜紀さんが笑って言った。
『誰がてめぇらに呑ますかよっ!』
すかさず突っ込む尋さん。
「…陽次。尋さんが奢ってくれるって。」
『だなっ。その時は沢山呑んでいいぞ。莉李。』
私と陽次も笑って言ったら、木佐さんは私の頭を撫でて笑った。
『莉李ちゃんは俺が奢るよ〜。莉李ちゃん、何か色々ありがとね。』
「…私は何も。でも、良かった。木佐さん、絶対に遊びに来てね?待ってるね。」
あっちの友達にも顔を見せて安心させてあげてね。
木佐さんは笑って頷いた。
木佐さんと別れ、それから家路へと向かった。
何だか凄く良い旅行だった。
木佐さんに会えて、幸恵さん夫婦に出逢えて。
人の出逢は偶然じゃなく必然って言うけど、本当にそう思う。
こうやって色んな所で色んな人達と繋がった事は、狭かった私の世界を広げてくれる。
私を色んな所に連れ出してくれる陽次には感謝しかない。
「…陽次。いつもありがとな。」
陽次にニッコリ笑いかけると、ん?と言った感じで私を見て頭を撫でる陽次の手に安心して目を閉じた。
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