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起きたのは昼過ぎで、莉李と2人で親父にお土産を渡す。
『莉李ちゃん。楽しかったか?』
親父が土産を手にニコニコしながら莉李に聞いた。
『…ん。凄く楽しかったぞ。部屋に露天風呂があって、お風呂に浸かったら目の前の海と一体になった感じがして凄かった。大浴場も凄く広くて気持ちよかったぞ。あっ。大浴場で幸恵さんって人と仲良くなって陽次もその旦那さんと仲良くなってて…』
と、まぁ色々と親父に旅行での話を終始楽しそうに話をしていた。
親父もそうかそうかとニコニコしながら頷いて聞いていて、俺はそれを眺めてた。
何かその光景がすげぇ幸せで。
莉李と結婚したとして、親父と同居すんのもいいかな、何て考えた。
『その仲良くなった幸恵さんがな。趣味で野菜とか果物とか作ってて、季節の野菜を収穫したら送ってくれるって言ってたぞ。その野菜で幸くんと一緒に料理したいから色々教えてね。』
そう言った莉李の言葉に親父はすげぇ嬉しそうで。
『おうっ。一緒に色々作ろうな。でも、あれだな。その幸恵さんって人は莉李ちゃんの事気に入ったんだなぁ。野菜まで送ってくれるって事はよ。』
親父が俺を見て言った。
「まぁな。子供が居ないみてぇでさ。居たら俺ら位だったかもなって言ってた。」
『…子供出来ない身体なんだって。幸恵さん。だから、旦那さんが幸恵さんの気が少しでも紛れる様に毎年旅行連れてくって言ってた。』
捕捉する様に莉李が言った。
『…そうか。まぁだけどあれだ。その人達は莉李ちゃんを娘みたいに思えたのかもしんねぇな。最近の若者みてぇに下手に飾らねぇ素のままの莉李ちゃんが可愛かったんだな。その人達も莉李ちゃんに会えて良かったな。』
親父の言葉に少し納得した。
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