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確かに、幸恵さんやおっちゃん達から見たら若い奴らは着飾って化粧して誰とでも話をする訳でもなく自分達の事しか考えてない訳で。
話しかけたとして曖昧に返事をされるか無視されるか、そんな感じだろうし。
皆が皆、そうではないかもしんねぇけど。
気軽に話しかけられる雰囲気でもねぇよな。
それが、莉李は化粧する訳でもねぇしツンケンしてる訳でもねぇ。
あんまり誰とでも話したりはしねぇけど、相手の事を考えて受け答えをする。
幸恵さんはそんな莉李の独特の雰囲気を感じたのかもしんねぇ。
って、まぁ俺の憶測だけどさ。
でも、何かそんな気がする。
たった少しの時間で莉李の事すげぇ気に入ってたし。
「莉李はやっぱり人を惹きつけるもんを持ってんだな。」
莉李の隣に座りながら頭を撫でた。
『…私は何も持ってないぞ。』
何言ってんだ?って顔の莉李に苦笑い。
本人は素のままだから分かんねぇんだろうな。
自分の魅力ってもんが。
まっ、それが分かってたらその時点で莉李じゃねぇけど。
莉李は何も考えずそのままで居て欲しいし。
そこがまた可愛いところだし。
まっ、天然だからな。
年取って婆ちゃんになっても何も変わらない気がする。
ん。絶対変わらないな。コイツは。
莉李を見てそんな事を思っていたら顔がにやけてたみてぇで、莉李が何?って顔で見てくる。
「…可愛いな。莉李は。」
言ってまた頭を撫でた。
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