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大浴場と書かれた木の看板を目印に女湯と男湯に分かれた入口。
『莉李。上がったらここで待ってっから。ゆっくり入れよ。』
私の髪をくしゃりと撫でて男湯の方へ消えていく陽次。
女湯と書いてある方へ行き、よしっ!と心の中で気合いを入れて私も入った。
中に入れば広い脱衣場にポツリポツリと居る人。
ロッカーに篭が置いてあり、どうやらそこに着替えを入れるらしい。
一番奥の隅っこの方へ行き、持ってきた着替えを入れた。
今から入ろうとする人や上がったのか身体を拭いてる人。
当たり前だけど皆、裸だ。
少し恥ずかしいけど、温泉だし。
服を脱ぎ篭に入れていく。
全部脱いだら、とりあえずタオルで隠し浴場へと向かった。
ガラッっと扉を開ければ湯気が視線を遮る。
恐る恐る足を踏み入れ奥へと進むと、そこにはガラス張りの窓にもの凄く大きなお風呂。
凄い。
初めて見る光景に少し唖然。
温泉のお湯はお風呂の両サイドから、どんどん出ていて。
奥の方へと思い、そっちに行って入ろうと足を入れると
「…っあつっ!」
かなり熱かった。
…熱くて入れないぞ?
でも、見ると反対側では皆平気な顔で入っていて。
何で?
戸惑っていると後ろから声をかけられ振り向いた。
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