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「親父の所でもしねぇのか?珍しいな。」
陽次はドライヤーに手を伸ばしながら答える。
『まぁな。ほら、まぁ今回は色々あっただろ?莉李に嫌な思いいっぱいさせちまったしさ。約束守ってやれなかったし。だから、冬休みは莉李とずっと一緒に過ごそうかと思ってる。』
あぁ。なるほどな。
「約束って、あれか?温泉旅行?」
テーブルの雑誌をペラペラ捲った。
『あぁ。莉李、すげぇ楽しみにしてたからさ。とりあえず、今回は近場に行こうと思ってさ。車でもあれば遠出出来んだけど、今はまだ電車とかじゃねえと無理だしさ。まぁ、まだ旅館の予約が分かんねぇんだけどな。キャンセル待ち。』
陽次の言葉にえっ?と思ってしまう。
俺、今予約が取れたけど。
でも、陽次には言えねぇよな。
「…空いてねぇのか?部屋。」
とりあえず、聞いてみた。
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