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『普通の部屋なら空いてるみてぇなんだけどさ。莉李連れてく訳だし、莉李に喜んでもらいてぇから、ちょっと違った部屋を予約したかったんだけどな。人気あるみてぇで、全部埋まってるって。そこの旅館の女将さんがさ、もしキャンセルが出たら1番に入れてくれるって言ってくれて。本当は他にキャンセル待ちしてる人が居るんだけど、莉李の事話したら聞いてくれて。で、キャンセル待ち。取れたらいいんだけどなぁ。』
あー。部屋に拘ってて予約が取れないって事な。
納得。
でも、素知らぬ振りで話しを返す俺。
「そっか。取れたらいいな。その部屋。まっ、莉李ちゃん楽しませてやれよ。喜ぶだろうしな。」
言って立ち上がると陽次は俺を見上げて言った。
『莉李には内緒にしてるから言うなよ。当日、何も言わねぇで突然連れてく事にしてるからさ。』
釘を刺すように言われた。
「分かってんよ。言わねぇし。じゃ、俺は仕事行くわ。じゃあな。」
言って陽次の部屋を出た。
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