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『お嬢さん。そっちのかけ湯は熱いから。入るなら、あっちのかけ湯の方がいいわよ。』
優しそうなおばさんが教えてくれた。
…お湯の温度が違うのか。
「…あっ、ありがとうございます。何も知らなくて…」
お礼を言うと
『初めての人は皆、知らない事だから。気にしないで。ここのお湯は美人の湯だなのよ。ゆっくり浸かるといいわ。あぁ。でも、お嬢さんは元々美人さんね。』
ニッコリ笑って言われた。
「…いえ。美人さんになりたいです。どうも、ありがとうございました。」
もう一度お礼を言ってから、言われた方のお湯へゆっくり浸かった。
本当だ。
ちょうどいいお湯加減。
教えてくれたおばさんの方を見ると、何とその熱い方のお湯へ浸かっていた。
……凄い。
熱くないのかな?
さすがです。おばさん。
パノラマの様な景色を眺めながら温泉にゆっくり浸かった。
やっぱ温泉最高だな。
陽次も見てるかな?
陽次が待つかもしれないし、そろそろ身体を洗おう。
一旦、温泉から上がり洗い終わってからもう一度温泉へ浸かった。
身体もポカポカなった頃にお湯から上がり着替えをした。
出るとやっぱり待っていた陽次。
「…陽次。ごめんね。待った?」
せっかく暖まったのに申し訳ない。
『いや。俺も今出てきたから。それより、ゆっくり浸かれたか?どうだった?温泉。』
部屋に戻りながら、おばさんの話をした。
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