一月二十四日(水)

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一月二十四日(水)

 彼女は似過ぎていたんだな。話し方、笑い方、仕草。  三年前を思い出す。  六年前にサイトで知り合い、五年前の成人式の日にメアドを交換、それから一年後に初めて渋谷で待ち合わせをした。アジア系居酒屋で呑んで終電なくして、なんとなく別の店で呑み直し、なんとなくホテルへ行った。  関係は続き、それからもなんとなく会うようになっていた。お互い素性には触れず、それでも定期的に会っては、繰り返していた。お互い連絡をしなくなったのは、二年が過ぎた頃。  お互いだったが判らないが、少なくとも自分には好意があった。お互いに恋人が居たり居なかったりで、それでも楽しい時間だった。  彼女に魅せられ理由はそれだけではなだろう。顔だって違うし、声も違う。しかし、その目を見てしまうと重ねてしまう。
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