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自分すら恋なんてしたことないのに、恋愛について語れることなんてない。
私も彼氏が欲しくないというわけではないが必要だと感じていない。
「入学したばっかでカッコイイ人がいるかいないかは分からないけど、無理して彼氏作らなくても好きになったらでいいんじゃないかな」
最もらしい答えを言ってチラリと見やると、そっかぁと呟くだけだった。
途中で奈緒と別れて自分の通学路を歩いていると、見慣れた制服がちらほらと見えてきた。
通学路を歩いていく姿はまるで流されているように見える。
毎日見ているこの光景にうんざりする。
高校を卒業して大学生になっても、社会人になっても毎日同じ道を通って学校や仕事に行くのだ。
それを考えると、気が重い。
それを退屈だと思ってしまうのだ。
私はどこかで日常に変化を求めている。
この単純な日々が嫌だった。
それでも自分から何かしようという気にはなれなかった。
何かが起こらないかと願っているだけなのだ。
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