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自分の教室に着き、机に鞄をおろして座ると里香と優子がすぐこっちに向かってきた。
「美沙!昨日のミュージックランキング見た?!」
里香が目を輝かせて言うと、隣にいる優子は呆れたように肩をわざとらしく上げた。
登校してからずっと興奮気味に語られていたのだろうと普段の里香の様子から分かる。
「見たよ。隆也でしょ」
里香の好きなバンドのボーカルの名前を出すと、里香はその通りと言わんばかりに大きく頷いた。
「かっこよかったよねぇ!もう隆也に勝るものはいない!!私は隆也一筋だわ!」
こんなことを言っているが、前までは違うバンドのギターリストに熱を上げていたのだが、隆也が現れてすぐに乗り換えた。
「その内飽きるって」
優子が同じようなことを考えていたのだろう。バッサリと切り捨てた。
「そんなことない!私は隆也に全てを捧げる!!」
そんな本気のような冗談に私が笑い、優子はすでに呆れている。
里香のマシンガントークはチャイムによって中断された。
みんな席に着いて少し経つと、先生が教室に入ってきた。
日直の挨拶で今日もまた代わり映えのない学校が始まった。
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