水曜日

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昼休みになると、私は三人で机を囲んでお昼を取り始めた。 里香の相変わらずの隆也が好きという主張も優子の毒舌で遮られるが、それにめげずに里香は話し続ける。 私は話すのがそんなに得意ではないので、助かる。 「里香ほどじゃないけど、あの高校生バンドは結構好きかな」 優子が話題を変えようと思ったのか、食べながら操作していた携帯を置いて、朝のニュースでも取り上げられていた高校生バンドについて振ってきた。 「ニュースでやってたね」 「高校生って私らと変わんないじゃん。純粋に凄いって感じるわ。しかも自分たちで高校生だから顔出しはNGにしてるでしょ? その辺の男子とかだと調子に乗ってテレビとか出まくったりしようとすると思うんだよね」 「優子はそういう人達好きだよね」 優子自身、どちらかというと男らしい。 しっかりしているし、物事を客観的に見ることが出来る。 悪いことは悪いとハッキリと言う。だから合わない人は合わない。 正義感が強く、弱い立場の人を守るのでそういう人達からは好かれる。 自分が正しいと思った方に進める優子を羨ましいと思う。 「でもそれ、もしかしたら売れなかったときのための保険かもよ。だってもし就活とかする時に気まずいじゃん」 「そういう捻くれた考え方やめてくんないかな。大体どっかのアイドルみたいに歌も演技も三流だけど顔でどうにかなってる奴とは違うんだから。実力があるのは確かでしょ」 優子の言葉にひやっとして、里香を見ると明らかに不機嫌な顔をしてる。 これはまずい。 「隆也のことバカにしてんの?」 「別に誰とは言ってないけど」 二人の間に気まずい空気が流れている。 私は慌てて間に入った。 「私はどちらも違う良いところがあって凄いと思うよ!隆也はカッコイイし、普段からお洒落でセンスあるから、自分でコーディネートとかしてるじゃない?それは立派な才能だと思うな!高校生バンドも歌が凄い上手で、歳も同じくらいなのにあんなに人気あって凄いよね!私は服のセンスも歌もイマイチだからどちらも羨ましいよ!」 二人が私の方をじっと見てる。 流石に褒め方が苦し紛れすぎたかな…。 視線が辛くなってきて、笑顔も苦しくなって苦笑いになっている。
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