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「で、期限は?」
「再来月に文科省の査察が入るらしく、来月一杯だそうだ。」
「じゃあ無理じゃない。前にも言ったけど、あたし憧れのイースター島にバカンスだもん。もう航空チケットもホテルも抑えちゃってるしぃ♪」
ここ一年間働き通しだったあたしは、誰にも邪魔されない念願の旅を時間を掛けて企画していた。
頑張った自分へのご褒美である。
「ん?それなら事前に秘書の小鳩菖蒲君に問い合わせた時に、キャンセルしておくから大丈夫だって言われたけどな。」
「なんですってーッ!?またあいつめ勝手にーッ!菖蒲ェ何処行ったァ!?」
「彼女ならさっき俺と入れ替わりに外出しますって出ていったぜ。」
「菖蒲の奴ゥ、またやられたァ!」
誰にも邪魔されないハズが、個人秘書に邪魔をされた。
あたしのご褒美はどこへいった?
「ヤリ手のいい秘書を持ったな、CANDY?」
LINDAは笑いを堪えて言った。
「うるさい!!」
あたしは世界一不幸なヒロインに違いない。
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