DUNE

3/4
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ
「で、期限は?」 「再来月に文科省の査察が入るらしく、来月一杯だそうだ。」 「じゃあ無理じゃない。前にも言ったけど、あたし憧れのイースター島にバカンスだもん。もう航空チケットもホテルも抑えちゃってるしぃ♪」 ここ一年間働き通しだったあたしは、誰にも邪魔されない念願の旅を時間を掛けて企画していた。 頑張った自分へのご褒美である。 「ん?それなら事前に秘書の小鳩菖蒲君に問い合わせた時に、キャンセルしておくから大丈夫だって言われたけどな。」 「なんですってーッ!?またあいつめ勝手にーッ!菖蒲ェ何処行ったァ!?」 「彼女ならさっき俺と入れ替わりに外出しますって出ていったぜ。」 「菖蒲の奴ゥ、またやられたァ!」 誰にも邪魔されないハズが、個人秘書に邪魔をされた。 あたしのご褒美はどこへいった? 「ヤリ手のいい秘書を持ったな、CANDY?」 LINDAは笑いを堪えて言った。 「うるさい!!」 あたしは世界一不幸なヒロインに違いない。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!