第1章

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気持ち良いほろ酔い気分も新垣ゆりあを見た瞬間消え、過去の記憶が嫌な気分を誘う。 そして、何故二人だけで歩いていたんだろう。あの人はどうしたんだろう。 もう私には関係無いのに、昔の彼が気になった。 「つーか小堀さんも趣味悪くね?」 見延の言葉でハッとする。 どのくらいボーっと見ていたんだろう。気付けば新垣ゆりあと小堀さんはいなくなってた。 「久しぶりに新垣さんを見たわ。男性にベタベタする所とか、相変わらずよね。」溜息混じりでまどかちゃんが言う。 きっと二人には私の過去の事で気を遣わせている。だから明るく言おう 「まぁさー、 もうゆりあとは関係無いしさっ、うん。 今日はもう帰ろうよ!!」 と言って 「へへっ」 と笑う。 明るく 明るく 明るく 出来るだけ明るく振る舞うんだ。 眉間にシワを寄せた見延と悲しそうな顔をしたまどかちゃんを見ないフリして。
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