第1章

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《二週間前》 「じゃあよろしくねー」 そう言ってニコニコと笑いながら手を振り、去って行くのは寿退社する篠原さんだ。 「こ、これまで本当に…おおお世話になりましたぁぁあ。ありがとうございますっ。うっうっうう、お幸せになってぐださぁぁい」 篠原さんの後任は私、高峰優子(たかみねゆうこ)現在涙で顔はぐちゃぐちゃだ。 これまで入社してずっと受付だったのが篠原さん退職による人事異動により、二週間前から食品包装資材部・卸営業課の営業事務に配属された。 これまで受付という接客業だけだった私に篠原さんは丁寧に営業事務の仕事を教えてくれた恩人である。
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