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ふと目を覚ます
視界を染める色濃い赤に
とうとう地獄へ堕ちたのかと
思い、煩い、目を閉じた
艶やかに彩る月夜の晩に
草の擦れる小さな音が
眠りに心地よいのです
薄着で出掛けたあの人が
凍えぬようにできるなら
ひたすら花びらを広げては
あなたの訪れを待っている
目が眩みそうな赤に
いつかの邂逅を馳せて
静かに訪れる月夜に
小さく小さく唄う
嗄れたあなたを待って
飽けるころ目を覚ます
視界を染める色濃い彼岸花
遠くに見える懐かしい影に
想い、焦がれて目を閉じた
そうして目を開いたときに
誰と会うことができるのでしょう
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