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「どうせ、素材が数個と、壊れる間際の竪琴しか残ってないから。回収しなくても問題ないよぉ。」
「いや、防具は?」
カナタが困惑の表情でイクルに尋ねると。
「幽霊ローブだけだけど?」
「いや、何で。そこで、不思議そうな顔で答えるんですか!普通は防具とか着るでしょ!?」
「ん?防具を着たら、ウェイトが増えて、素材の持ち帰り量が減るじゃん。」
さも、当然と言わんばかりにイクルが答える。
「それで、あの量を持ち歩けたのか・・・・・」
蒼夜が1人納得する。
以前、イクルとペア狩りした時に。イクルの素材回収量が、半端なく多かったことに驚いたものだが。
「えっと・・・・予備の武器とかは?」
シャナが遠慮がちに聞くと。
「竪琴2個有れば十分。それ以外は持ち歩かない!」
「あんた、それで狩りしてたの?」
イクルの答えに、沙耶が呆れた表情でイクルに尋ねる。
「他に何かいる?」
「いやいやいや・・・・回復剤とか、包帯とか要るでしょ・・・・普通は・・・・」
カナタも呆れながら、イクルに言うが。当のイクルは、どこ吹く風ど。
「取り合えず、俺の家に行かない?流石に、楽器無しで、ダンジョン前で立ち話もなんだし?」
とことん、マイペースを崩さないイクル。
「ですね・・・。桂、このルーン石でゲートを開いてくれ。」
蒼夜が、腰袋からルーンブックを取り出し、桂にルーン石を手渡す。
★ゲート★
赤い色をした、転移門の魔法。
ゲート(門)と言っても、高さ2メートル50センチ、幅1メートルの、青い色の光の塊。
「ん。」
桂は短く返事をして、ルーン石を手に持ちゲートを唱える。
6人の前に、赤い色のドアのゲートが出現して、蒼夜がドアを開いて中に入っていく。
蒼夜の後に続いて、イクル達5人も入っていく。
そして、ゲートを出て蒼夜以外の4人の第一声が。
「「「「デカッ!!!!!」」」」
4人の声が綺麗に重なって発っせられる。
その4人を見て、既にイクルの家を知ってる蒼夜は、横でクスクス笑い。
イクルは満足そうな表情を浮かべていた。
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