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「それで?俺に要件があるんだろう?」
ガイが、イクルに向かって言うと。
「うん。ガイに、この人達の先生に為って貰おうと思ってね。」
「はっ?」
「蒼夜君と、カナタ君と、シャナさんの3人に。スキルの使い方を教えてあげて欲しい。できれば、ガイの戦い方を教えてあげてくれてもいい。」
「何で俺が?」
「ん。5人掛りとは言え。スキル無しで、数匹のドレイクを倒してたんだよ。この5人は。誰かに似てるでしょ。」
そう言って、クスクスと笑うイクル。
「んっ、んっ。凄いな、それは。実に興味深い。」
「えっと、ガイさん。」
カナタが遠慮がちに、ガイに話しかける。
「ガイで構わない。」
「あっ、はい。ガイ。」
「なんだ?」
「えっと、間違ってないと思うけど。もしかして、勢力戦ランキング1位のガイで合ってますよね?」
「合ってるぞ。」
「そうだよぉ。」
ガイと亜里亜の声が重なって返される。
「うぉ!すっげぇ!こっちも有名人だよ!」
カナタが興奮して声を上げる。
他の4人も目を丸くして、ガイを見詰める。
「ガイ。目立ち過ぎ。」
「スマン。今度からは気を付ける。」
「ん。多分、これからは今以上に目立って貰う事になるかも知れないから。不問にしとく。」
イクルの言葉に、ガイは困惑の表情を見せる。
「何を企んでいる?」
「ん、色々ね。色々。」
「イクルの色々は、色々と怖いからねぇ~。」
亜里亜が言うと。
「なに、すぐに判るさ。」
チラっと、沙耶の方を見れば。沙耶の表情だけは芳しくなかった。
蒼夜、カナタ、シャナ、桂の名前は出たのに。自分の名前だけが出なかった事に不満を感じているのだ。
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