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「はい?」
足を止めて、俺が来るのを待つ蒼夜。
「その格好で行っても、また死亡するよ。」
「あうっ!」
「予備の武器防具は?」
「無いです・・・・・」
「そっか・・・・」
《まぁ、別に初心者用の武器防具を買ってやっても良いけど。どうするかね、この状況。》
「えっと・・・・・」
「はいはい。手伝うから安心して。」
「良いんですか?」
「武器防具はノーマル?HQ?」
「HQです・・・」
《うん。HQ品なら無くしたら泣くな・・・》
HQとはハイクオリティーの略で、普通のノーマルクオリティーの武器防具よりも性能が高い品物の事だ。
ハッキリ言って、かなり高い。
「PT(パーティー)飛ばすから、組んでいかない?それなら最悪、俺が荷物を拾えるから。」
「お願いします。」
再び頭を下げる蒼夜くん。
自分にしか見えない、ウィンドウを開いて。パーティーの申請を蒼夜に送る。
蒼夜は申請が来ると、即座に了承を押した。
「自分が持ってた、荷物は覚えてるよね?」
「ある程度なら覚えています。」
「なら、問題ないな。行こうか。」
そう言って、俺はデスパに向かって駆け出す。
蒼夜も俺の後ろに着いてくる。
死亡して、死体が残った場合。
死体は時間の経過と共に消えてロスト(消失)する。
ロストすれば、死体の中に残ったアイテムも消えてなくなる。
死体がロストするまでの時間は現実の時間で、およそ30分。
蒼夜が死亡してから、既に15分が経過している。
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