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USO 2ステージ 冗談でしょ?
* * * * * *
「今日は、知り合い達と来ているので、遠慮しておきます。」
蒼夜の後から、4人ほどのプレイヤー達が見える。
「あら、残念。荷物持ちをGET出来なかったか。」
そう言って笑う俺。
「あはは、また今度、荷物持ちさせていただきますよ。」
「誰?」
蒼夜の後ろの蒼夜と同い年くらいの女性が、蒼夜に尋ねる。
「吟遊詩人のイクルさんだよ。ほら、一昨日の晩に話した人。」
「あぁ、蒼夜の言ってた、成金バード(吟遊詩人)ね。」
「おい!沙耶!」
沙耶と呼ばれたプレイヤーに、蒼夜が険しい表情で何かを言おうとするが。
「あぁ~、気にしない気にしない。」
すかさず、俺が蒼夜をなだめる。
「私だって、その内、あのくらいの武器を作ってやるんだから。」
俺を睨みつけて、他のメンバーの元に向かう沙耶。
「すいません、イクルさん。」
蒼夜君が、俺に頭を下げる。
「全然OK。ただの、ヤキモチだよ。」
「えっ?」
「彼女だろ。君のHQ(ハイクオリティー)武器防具を作ったのは。」
「そうですけど。良く判りましたね?」
「ん~、何となくね。それに彼女「作ってやる。」って言ってたでしょ。
彼女、鍛冶屋なんだろ?」
「はい、鍛冶屋(ブラックスミス)のスキル持ちです。」
「自分が作った武器を、君が使ってなくて、気分を害したようだ。
ただの、嫉妬だよ。気にする事はない。」
「ほんっと、スイマセン。」
再度頭を下げる蒼夜。
「蒼夜!いつまで話してるのよ!さっさと、狩るわよ!」
俺と話している事も気に入らないのか。沙耶が蒼夜に向かって大声で急かす。
「いま行く! それじゃ、また今度。」
大声で返事をして、軽く頭を下げて、蒼夜が仲間の元に走って行く。
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